☆NHK特番で紹介された商品.
器に見合った立場となり、安堵な日々を過ごしていたある日のこと。
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私にとって、大きな試練となる仕事(実験)が始まりました。
この出来事については詳しく述べることができません。それは幾多の当時の人々に迷惑を及ぼす可能性があるからです。
ともかく、私は、この出来事から「窓際族」になるのです。
○悪魔の商品.
会社に新規商品が導入され、販売されるようになりました。
それは環境の汚染物質を除去する商材でした。
この商品はNHKの特別番組で報道され、特殊なノウハウによって作られた素材が、ある特定の汚染物質を消滅させる能力を有するというものでした。
事実、現場では、汚染物質が見事に消滅したのです。
会社はその商品のテスト販売が順調で、多くの顧客に受け入れられたことから、徐々に販売量を増やしました。
私はNHKの番組のビデオを見て、とにかく驚きました。
通常、この汚染物質は現場で回収し、処分場で処理するべきもので、多額のコストがかかっているものでした。
その処分費が、この商品の導入をすれば半減する試算となるのです。
コストが半減するのですから、売れるに決まっています。
トリックの発見.
私は市場に出回っているこの商品のいくつかのタイプの性能試験を開始しました。その試験の目的は、もっとも優秀な商品の選択でした。
「どの商品が優秀か」を見定め、より良い商品を販売する‥
そのために、試験管ベースの効果試験を開始したのです。
しかし、現場で汚染物質をものの見事に除去する商材が、試験管の中では効果を発揮しません。幾度も効果の得られないテストが続きました。
1ヵ月が過ぎ、2カ月が過ぎ、3ヵ月が過ぎた時点で、どのように工夫しても消えない汚染物質に頭を抱えました。
試験管ベースのテストで成功しても、現場で効果が出ないということはありますが、現場で効果が出るものが試験管内で効果がでないということは考えられないのです。
訳が分からぬまま試験管ベースのテストを中断し、現場と同じ環境を人工的に作り、本物の商材を用いてのテストに切り替えました。
翌日、担当していた研究員が私のデスクに青い顔をして飛んできました。
「大変なことになっています。見てください」
実験場に行き、その現実を確認し、呆然としました。
その商品は汚染物質を消滅させているのではなく、物質をその空間から排出しているに過ぎないシロモノだったのです。
いわゆるインチキ商品であり、大変な社会問題になる可能性に身震いしました。
このトリックを前提にNHKの番組を見ると、まさにその原理で排出しているのであり、「これは大変な問題」であると認識しました。
私は複数の研究員とレポートを作成し、販売をしている事業部門の責任者が主催する会議に参加しました。
○不可解な反応.
「‥と、いうことで、この商品の販売を中止していただきたいのです」
私がレポートを説明し、その言葉を発したとき、不可解な反応がありました。
「それは大変だ。即刻、販売を中止する」と言うべきところが、「問題ないよ」と言うのです。
私は意味不明の反応に驚きつつ、「大変な問題ですよ、販売を中止していただきたいのです」と言いました。すると、また、「問題はない」と言うのです。
私は、この会議上で白黒はっきりさせないために「あえて言っている」か、あるいは「説明書類が不十分なのか」と受け止めました。
この日の会議では、それ以上追及することはやめました。
私は会議を終えた翌日、ビデオ撮影をし、その問題のトリックをまとめる作業を行いました。
そして半月あまりの後、完璧な証拠を作り上げ、ふたたび説得に当たりました。
しかし、「問題はない。販売は中止しない」と言うのです。
私は耳を疑いました。まったくありえない反応だからです。
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